労災診療費算定基準の一部改定について(平成26年4月)抜粋

平成20年4月からの整形外科医療の内容(HOME)


診 察 料

 1.初 診 料 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3,760 円

(1)
労災保険の初診料は、支給事由となる災害の発生につき算定できるものとする。したがって、すでに傷病の診療を継続(当日を含む。以下同じ。)している期間中に、当該診療を継続している医療機関において、当該診療に関わる事由以外の業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病により初診を行った場合は、初診料を算定することができます。
(2)
健保点数表(医科に限る。)の初診料の注2のただし書に該当する場合(上記(1)に規定する場合を除く。)については、1,880を算定します。
 
       
救急医療管理加算(平6.5 実施)(平8.5 改定)


同一傷病につき1回限り(初診時)‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 入 院:6,000 円
入院外:1,200 円
  
初診の傷病労働者について救急医療を行った場合に、上記金額を算定することができる。(指定医療機関が傷病労働者を受け入れる際に、当該労働者が初診である場合は、一般に緊急性があることから、入院した場合、初診に引き続き7日間を限度として、入院外の場合は初めて来院した日に限り算定できる。)
また、健康保険診療報酬点数表における「救急医療管理加算」、「特定入院料」及び「特定療養費(初診時自己負担金)」とは重複して算定することはできない。ただし、この算定は同一傷病につき1回限り(初診時)とする。

2.再 診 料

診療所及び病床数が200未満の病院において算定する。
        ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1,390円

注)病床数の考え方は,健康保険診療報酬点数表の取扱いと同様。

3.外来管理加算

外来管理加算の特例取り扱いについて (平4.4 実施)(平15.9 改定)

(1)外来管理加算については、健保点数表の再診料の注6にかかわらず、従前どおりの計画的な医学管理を行った場合に所定点数に52点を加算して算定できます。

(2)再診時に、健保点数表において外来管理加算を算定することができない処置等を行った場合でも、その点数が外来管理加算の52点に満たない場合には、特例として外来管理加算を算定することができます。
また、外来管理加算の点数に満たない処置等が2つ以上ある場合には、最も低い点数に対して外来管理加算を算定し、他の点数は外来管理加算の点数に読み替えて算定できます。

 なお,四肢の傷病に対する処置,手術,リハビリテーションの特例取扱いの適用がある場合は,適用後の特例点数を基準に算定する。


 外来管理加算の早見表は表1のとおり

表1 外来管理加算特例取り扱い算定早見表

再診料 外来管理加算 処置などの算定
健保準用点数 特例 健保準用点数 特例 読み替え
処置がないとき 1360円 プラス52点
52点未満の処置
が一つある時
1360円 プラス52点 所定点数
52点未満の処置
が二つ以上ある時
1360円 プラス52点 最も低い点数ものは
所定点数
その他のものは
52点と読み替え
52点以上の処置
のみの時
1360円 所定点数

.健保における診療点数表で外来管理加算を算定できないこととなっている厚生労働大臣が定める検査、リハビリテーション、精神科専門療法、処置、手術、麻酔及び放射線治療を行った場合でも、その所定点数が52点に満たないものがあれば、外来加算が算定できる。

、四肢に対する処置、手術、リハビリテーションに対し四肢加算が適用される場合は四肢加算後の点数が外来管理加算に満たないものがある場合算定できる。

.病床数が200床以上の病院、歯科診療を行う医療機関は算定できない。

.慢性疼痛疾患管理を行った場合においても外来管理加算の所定点数に満たない処置、リハビリテーション等の点数がある場合に算定できる。

.初診時は算定できない



4.外来診療料 (平12.4 実施)(平18.4 改定)
             ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 70 点
 
病床数が200 以上の病院における再診については,健康保の取扱いと同様に,再診料に代えて,簡単な検査等を包括した外来診療料により算定する。
 したがって,外来管理加算及び外来管理加算に関する特例についても算定することはできない。
また,外来診療料に包括される処置については,四肢加算の対象となる場合であっても,当該処置の点数及び当該四肢加算の点数を外来診療料の点数とは別に算定することはできない。
なお,病床数が200 以上の病院が病床数200 未満の他の病院又は診療所に対して文書による紹介を行う旨の申し出を行ったにもかかわらず,傷病労働者が自己の合等により引き続き当該病院に受診することとなった場合は,緊急その他やむを得ない事情がある場合を除き,当該病院は傷病労働者から選定療養費(特別の料金)を徴収できることとなる。
    注)病床数の考え方は,健康保診療報点数表の取扱いと同様。

5.再診時療養指導管理料
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1回の指導につき 920円

外来患者に対する再診の際に、療養上の食事、日常生活動作、機能回復訓練及びメンタルヘルスに関する指導を行った場合にその都度算定する。
なお、同一月において、健康保険診療報酬点数表における特定疾患療養管理料及び健康保険診療報酬点数表において特定疾患療養管理料と重複して算定できない指導料・管理料等(ウイルス疾患指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、皮膚科特定疾患指導管理料、心臓ペースメーカー指導管理料及び慢性疼痛疾患管理料並びに在宅療養指導管理料、通院精神療法及び心身医学療法)との重複算定はできない。
注)療養上の指導は、外来患者の症状に応じて必要な指導を行った場合に、その都度算定するが、行った指導の要点を診療録に記載する。
   920円 内訳書右側(13)欄に記入
O慢性疼痛疾患管理料とは重複算定できない。


6.職業復帰訪問指導料

精神疾患を主たる傷病とする場合1 日につき760点
その他の疾患の場合1 日につき570点

ア入院期間が1 月を超えると見込まれる傷病労働者が職業復帰を予定している事業場に対し、医師又は医師の指示を受けた看護職員( 看護師及び准看護師。以下同じ。)、理学療法士若しくは作業療法士( 以下「医師等」という。) が傷病労働者の職場を訪問し、当該職場の事業主に対して、職業復帰のために必要な指導を行い、診療録に当該指導内容の要点を記載した場合に、当該入院中及び退院後の通院中に合わせて3 回( 入院期間が6 月を超えると見込まれる傷病労働者にあっては、当該入院中及び退院後の通院中に合わせて6 回) に限り算定できるものとする。

イ医師等のうち異なる職種の者2 人以上が共同して又は医師等がソーシャルワーカー( 社会福祉士又は精神保健福祉士に限る。以下同じ。) と一緒に訪問指導を行った場合は、3 8 0点を所定点数に加算して算定できるものとする。

ウ精神疾患を主たる傷病とする場合にあっては、医師等に精神保健福祉
士を含むものとする。

7.入院基本料 (平18.4 改定)



イ 入院の日から.起算して2週間以内の期間
           ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 健康保保険診療報酬点数の1.30倍
ロ 上記以降の期間 
           ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 健康保保険診療報酬点数の1.01倍
                                
                                 (いずれも1点未満の端数は四捨五入)
入院の日から起算して2週間以内の期間 健保点数の1.30倍
上記以降の期間 健保点数の1.01倍

(1) 入院基本料の点数を、入院の日から起算して2週間以内の期間については、健保点数(入院患者の入院期間に応じ、加算する点数は含まない。)の1.30倍、それ以降の期間については、一律、健保点数の1.01倍(いずれも1点未満の端数は四捨五入する。)とする。

(2) 健保改正により、入院診療計画に関する基準を満たすことが入院基本料等の算定要件の1つとなったため、労災保険においても、入院診療計画書または労災治療計画書(以下、「労災治療計画書等」という。)を交付し、説明することが入院基本料等の算定要件となるが、特別の事情があって入院後7日以内の場合については、その理由を診療費請求内訳書に記載させることとし、労災治療計画書等を交付し、説明することができない場合であっても、入院基本料等を算定することができるものである。

特別の事情とは、
@ 患者の急変などにより、他の医療機関へ転院または退院することとなったため、
労災治療計画書等を交付し、説明することができなかった場合
A 患者が意識不明の状態にあり、家族等と直ちに連絡を取ることができなかったた
め、労災治療計画書等を交付し、説明することができなかった場合
B その他、上記に準ずると認められる場合
をいうものであること。

 

8.入院室料加算


入院室料加算は、次の@ 及びA の要件に該当する場合にB に定める金額を算定できるものとする。
ただし、健保点数表において特定入院料として定められている点数(救命救急入院料、特定集中治療室管理料及び広範囲熱傷特定集中治療室管理料等) の算定の対象となっている傷病労働者については、入院室料加算は算定できないものであること及びA のエの要件に該当する場合は、初回入院日から7日を限度とする。

@
保険外併用療養費における特別の療養環境の提供に関する基準を満たした病室で、傷病労働者の容体が常時監視できるような設備又は構造上の配慮がなされている個室、2 人部屋、3 人部屋及び4 人部屋に収容した場合。

A 傷病労働者が次の各号のいずれかに該当するものであること。

ア症状が重篤であって、絶対安静を必要とし、医師又は看護師が常時監視し、随時適切な措置を講ずる必要があると認められるもの。

イ症状は必ずしも重篤ではないが、手術のため比較的長期にわたり医師又は看護師が常時監視を要し、随時適切な措置を講ずる必要があると認められるもの。
いと認めたもの。

エ傷病労働者が赴いた病院又は診療所の普通室が満床で、かつ、緊急に入院療養を必要とするもの。

B 医療機関が当該病室に係る料金として表示している金額を算定することができる。
ただし、当該表示金額が次に示す額を超える場合には次に示す額とする。

1日につき個室甲地10,000 円、乙地9,000 円
2人部屋甲地5,000 円、乙地4,500 円
3人部屋甲地5,000 円、乙地4,500 円
4人部屋甲地4,000 円、乙地3,600 円
労災診療費(入院室料加算)請求の留意点
      今般、諸般の事情を踏まえ、東京労働局と打ち合せた結果、今後2 ヵ月程度
      の準備期間を設け、平成16年1月提出分の労災診療費請求から, 従来の請求
      に係る記載方法を下記のとおり変更します
     
       1.入院室料加算を算定した場合
         
           @ レセプトの「摘要」欄に病室番号を記入してください。
         
           A 個室、2人部屋、3入部屋、4人部屋へ収容する必要のあった理由を
               上記ア〜エの記号で明記してください。
       
      2.上記の記入例
    
          レセプトの「摘要」欄
    
           ○ 個室(505号)、ア(11日〜20日)




9.リハビリテーション料

疾患別リハビリテーションについては、健保点数表のリハビリテーションの通則1にかかわらず、次の点数で算定できます。
ア 心大血管疾患リハビリテーション料(T) (1単位)250点
イ 心大血管疾患リハビリテーション料(U) (1単位)100点
ウ 脳血管疾患等リハビリテーション料(T) (1単位)250点
エ 脳血管疾患等リハビリテーション料(U) (1単位)190点
オ 脳血管疾患等リハビリテーション料(V) (1単位)100点
カ 運動器リハビリテーション料(T) (1単位)185点
キ 運動器リハビリテーション料(U) (1単位)85点
ク 呼吸器リハビリテーション料(T) (1単位)180点
ケ 呼吸器リハビリテーション料(U) (1単位)85点

疾患別リハビリテーションについては、リハビリテーションの必要性及び効果が認められるものについては、疾患別リハビリテーション料の各規定の注1のただし書きにかかわらず、健保点数表に定める標準的算定日数を超えて算定できます。

入院中の傷病労働者に対し、訓練室以外の病棟等において早期歩行、ADLの自立等を目的とした疾患別リハビリテーション(T)を算定すべきリハビリテーションを行った場合は、ADL加算として1単位につき30点を所定点数に加算して算定できます。

健保点数表の疾患別リハビリテーション料の各規定の注2及び注3については、適用しません。

(上記取扱いの他、次の点に留意する)
*1 四肢の傷病に対する疾患別リハビリテーションについては、上記アに規定する点数の1.5倍により算定する。
*2 健保点数表の疾患別リハビリテーション料の各規定の注2を適用しないこととしたことから、労災保険では、早期リハビリテーション加算は、算定できないものである。
*3 健保点数表の疾患別リハビリテーション料の各規定の注3を適用しないこと及びリハビリテーションの必要性及び効果が認められるものについては、疾患別リハビリテーションの各規定の注1ただし書にかかわらず、健保点数表に定める標準的算定日数を超えて算定できるものとすることとしたことから、労災保険では、標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う者は、傷病にかかわらす、次の取扱を行うものである。

【リハビリテーションの継続理由を記載する書面について
傷病にかかわらず、標準的算定日数を超えて疾患別リハビリテーションを継続して行う場合は、診療費請求内訳書の摘要欄に標準的算定日数を超えて行うべき医学的所見等を記載すること。
なお、労災リハビリテーション評価計画書を診療費請求内訳書に添付して提出している場合には、診療費請求内訳書の摘要欄に標準的算定日数を超えて行うべき医学的所見等を記載する必要はないこと。
また、労災リハビリテーション評価計画書を変更する。 (新様式について、別紙3を参照のこと。)
*4 健保点数表の改定により、ADL加算は削除されたが、労災保険では、入院中の傷病労働者に対し訓練室以外の病棟等において、疾患別リハビリテーション料(1)を算定するべき訓練が行われた場合に算定できるADL加算を継続することとしたものである。
 なお、AD L加算の算定要件は、改定前と変わるものではない。




10.消炎鎮痛等処置

(1) 消炎鎮痛等処置  
@ マッサージ等の手技による療法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 35点
A 器具等による療法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 35点
B 湿布処置
イ 半肢の大部又は頭部、頸部及び顔面の大部以上にわたる範囲のもの 35点

消炎鎮痛等処置(「湿布処置」を除く。)、腰部又は胸部固定帯固定、
低出力レーザー照射、介達牽引、矯正固定及び変形機械矯正術(以下「消炎鎮痛等処置等」
という。)に係る点数は、負傷にあっては受傷部位ごとに、疾病にあっては1局所
(上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの躯幹をそれぞれ指し、全身を5局所に
分けるものである。)ごとに、1 日につき所定点数を算定する。
ただし、3部位以上又は3局所以上にわたり当該処置を施した場合は、1 日につき3
部位又は3局所を限度とする。
なお、消炎鎮痛等処置等と疾患別リハビリテーションを同時に行った場合は、
疾患別リハビリテーションの点数
と、消炎鎮痛等処置等の1部位(局所)に係る点数をそれぞれ算定できる。
(2)消炎鎮痛等処置の3部位又は3局所の取扱いについて

 消炎鎮痛等処置等を行った場合は、1日につき合わせて3部位又は3局所を算定できる
ものであること。
  なお、介達牽引は器具による療法に含まれることとなったことにより3部位又は3局所
まで算定 できること  
また、疾病における局所とは従来どおり、上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの
躯幹をそれぞれ指し、全身を5局所に分けるものであること。
湿布処置については、1日につき所定点数(湿布処置の場合は倍率が異なる部位ごとに算
定し合算とする。)を算定すること。


(3)消炎鎮痛等処置の併施について


消炎鎮痛等処置等 に係る点数は、負傷にあっては受傷部位ごとに、疾病にあっては1 局所( 上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの躯幹をそれぞれ1 局所とする。) ごとに、1 日につきそれぞれ健保点数を算定できる。
ただし、3 部位以上又は3 局所以上にわたり当該処置を施した場合は、1日につき3部位又は3局所を限度とする。
なお、消炎鎮痛等処置等 と疾患別リハビリテーションを同時に行った場合は、疾患別リハビリテーションの点数と、消炎鎮痛等処置等 の1 部位(局所)に係る点数をそれぞれ算定できる。

消炎鎮痛等処置の四肢加算の取扱いについては、マッサージ等手技によ
る療法及び器具等   による 療法については所定点数の 1.5 倍、湿布処置は所定点数の 1.5倍(手及び   手指は2倍) として算定できること。 四肢加算の対象は表2のとおり

(4)消炎鎮痛等処置のうち湿布処置の特例

○湿布処置は診療所において、入院中の患者以外の患者についてのみ算定できる。

湿布処置が消炎鎮痛処置等を同一日にそれぞれ異なる部位に行った場合
(5)レセプト上の記載について  

消炎鎮痛等処置の種類及び部位(局所)については、レセプトに明確に記載して下さい。


 11.創傷処理及び骨折非観血的整復術の特例的扱い 

 健保改定後の手指の創傷処理(筋肉に達しないもの。)及び骨折非観血的整復術の具体的な算定点数は以下のとおりです。 

(1)創傷処理
指1本   940点(470点×2倍)

指2本 1、410点(940点十470点)

指3本 1、880点(1410点十470点)

指4本 2、350点(1880点十470点)

指5本 2、350点(470点×5倍)

(2)骨折非観血的整復術
指1本  2,880点(1,440点×2倍)

指2本  4、320点(2,880点十1,440点)

指3本  5,760点(4,320点十1,440点)

指4本  7,200点(5,760点十1,440点)

指5本  7,200点(1,440点×5倍) 

12 頭部・頚部・躯幹・四肢固定用伸縮性包帯腰部固定帯使用加算
  
四肢の他に頭部・頚部・躯幹に使用した場合も算定できる。なお、健保における腰部固定帯加算(170点)ついて、点数1 7 0点を超える腰部固定帯を使用した場合は、実費相当額(購入価格を10円で除して得た点数)で算定することができるものであること。

13 絆創膏固定術

  
従来、絆創膏固定術は手術の「筋骨格系・四肢・体幹」に区分され四肢加算(手指は2倍)の対象とされていたものであり、改定後は処置の区分に移行されたところであるが、従前と同様、処置の区分においても四肢加算の取扱いができるものである。

HP編者注:
ギプス料については四肢加算の取り扱いは出来ない。

14 その他
 
健保改定により新たに精神科救急入院料が特定入院料として新設されたことから、労災保険における救急医療管理加算、特別監視料及び入院室料加算と精神科救急入院 料との重複算定はできないものであること。


15 四肢(鎖骨、肩甲骨及び股関節を含む。)の傷病に係る処置等の加算

処置、手術及びリハビリテーションについての特例(四肢加算)

@ 四肢(鎖骨、肩甲骨及び股関節を含む。)の傷病に対し、次に掲げる処置、手術及びリハビリテーション(リハビリテーションについては、H20年4月1日以降は労災特掲料金とします。)の点数は健保点数の1.5倍として算定できます。(1点未満切り上げ。)
なお、下記アの処置及び手術については、手(手関節以下)及び手の指に係る場合のみ健保点数の2倍として算定できます。

[処置]
ア 創傷処置(術後創傷処置を含む。)、
さらに四肢加算することはできません。熱傷処置(電撃傷、薬傷及び凍傷を含む。)、重度褥瘡処置、爪甲除去(麻酔を要しないもの)、穿刺排膿後薬液注入、ドレーン法及び皮膚科軟膏処置、関節穿刺、粘(滑)液嚢穿刺注入、ガングリオン穿刺術、ガングリオン圧砕法、消炎鎮痛等処置のうち「湿布処置」
イ 絆創膏固定術、鎖骨又は肋骨骨折固定術、皮膚科光線療法、鋼線等による直達牽引(2日目以降)、介達牽引、矯正固定、変形機械矯正術、消炎鎮痛等処置のうち「マッサージ等の手技による療法」及び「器具等による療法」、低出力レーザー照射

[手術]
ウ 創傷処理、皮膚切開術、デブリードマン
エ 筋骨格系・四肢・体幹の手術
オ 神経、血管の手術

[リハビリテーション]
カ 疾患別リハビリテーション

A 健康保険において処置面積を合算して算定する「創傷処置、皮膚科軟膏処置又は消炎鎮痛等処置の「3」湿布処置」(以下「創傷処置」等という。)については、四肢加算の倍率(手指2倍、手指以外の四肢1.5倍、四肢以外1倍)が異なる部位に行う場合には、それぞれの倍率ごとに処置面積を合算して算定することができます。
また、「創傷処置」等を四肢加算の倍率が異なる範囲にまたがって(連続して)行う場合には、処置面積を合算し該当する区分の所定点数に対して最も高い倍率で算定します。
四肢(鎖骨、肩甲骨及び股関節を含む。)の傷病に係る次の処置等の点数は、健保点数の1.5 倍として算定できる。(1点未満の端数は1点に切り上げる。)
なお、手(手関節以下)、手の指に係る次のイ、ロの処置及びニの手術について
は、健保点数の2倍として算定できる。
また、次のニの手の指に係る創傷処理(筋肉に達しないもの。)については、指1本の場合は健保点数表における創傷処理の筋肉、臓器に達しないもの(長径5センチメートル未満)の点数(以下この項において「基本点数」という。)の2倍とし、指2本の場合は指1本の場合の点数に基本点数を加算した点数、指3本の場合は指2本の場合の点数に基本点数を加算した点数、指4本の場合は指3本の場合の点数に基本点数を加算した点数、指5本の場合は基本点数を5倍した点数とする。
イ 創傷処置、熱傷処置、重度褥瘡処置、ドレーン法及び皮膚科軟膏処置

ロ 関節穿刺及び消炎鎮痛等処置のうち「湿布処置」

ハ 絆創膏固定術、鎖骨又は肋骨骨折固定術、皮膚科光線療法、鋼線等による直達牽引(2日目以降)、介達牽引、矯正固定、変形機械矯正術、消炎鎮痛等処置のうち「マッサージ等の手技による療法」及び「器具等による療法」、低出力レーザー照射

ニ 皮膚切開術、創傷処理、デブリードマン、筋骨格系・四肢・体幹手術及び神経・血管の手術

ホ リハビリテーション

表2 四肢傷病に対する特例扱い算定早見表
手  術 処    置 リハビリテーション
*皮膚切開術、
*創傷処理、
*デブリードマン*、筋骨格系・四肢・体幹手術及び神経・血管の手術
*創傷処置、
*爪甲除去(麻酔を要しないもの)
*穿刺排膿後薬液注入
*熱傷処置、
*重度褥瘡処置、*ドレーン法
*皮膚科軟膏処置
消炎鎮痛等処置の うち湿布処置
*関節穿刺

*粘(滑)液嚢穿刺注入
*ガングリオン穿刺術・圧砕法
*絆創膏固定術、
*鎖骨又は肋骨骨折固定術
*皮膚科光線療法、
*介達牽引、矯正固定、変形機械矯正術、t低出力レーザー
*消炎鎮痛処置等
*四肢加算は1単位ごとに算定する
手及び手の指 2倍 1.5倍
四肢(手及び手の指を除く) 1.5倍
※ 四肢の部位以外における処置、手術、リハビリテーションは健保の所定点数で算定する  
ア.四肢には鎖骨、肩甲骨、股関節を含む。

イ.創傷、湿布、皮膚科軟膏処置は四肢加算の倍率が異なる複数部位に行った場合、同一倍率の各部位ごとに面積を合算した点数を算定できる。

(例)
 創傷処置(右手指と右下腿)
  右下腿 49点×1.5倍(労災四肢加算)=74点
  右手指 42点×2.0倍(労災四肢加算)=84点
 創傷処置(熱傷・・右手指と右下腿)‥2ヶ月まで
  右下腿 49点×3倍(健保加算)X1.5倍(労災四肢加算)= 221点
  右手指 42点×3倍(健保加算)X2.0倍(労災四肢加算)= 252点
                            
注)
  1. 足の指は1.5倍として算定する。           
      
  2. 薬剤料、特定保険医療材料、輸血料は健保点数で算定する。(四肢加算算定不可)
      
  3. 部位並びに手術項目を確認する・・
    手術項目の形成(全層,分層植皮術等)、処置項目のギプス料は、健保点数で算定する。
    (四肢加算、算定不可)
      
  4. 四肢加算後の1点未満の端数は切り上げる。
      
  5. 手の指に係る創傷処理(筋肉に達するものを除く)又は手の指に係る骨折非観血的整復術と指(手、足)に係る手術等を各々異なる指に対して併せて行った場合、同―手術野とみなさず各々所定点数を合算した点数で算定できる.

16 手指の創傷に係る機能回復指導加算

@手(手関節以下)及び手の指の初期治療における機能回復指導加算として、当該
部位について、健保点数表における「皮膚切開術」、「創傷処理」、「デブリードマン」
及び「筋骨格系・四肢・体幹」の手術を行った場合に一回に限り所定点数にさらに
190 点を加算できる。

A四肢加算、時間外加算はできない。

同一傷病につき一回限り 190点
(内訳書の50手術欄に記入)


17 初診時ブラッシング料

@創面が異物の混入、付着等により汚染している創傷の治療に際し、生理食塩水、蒸留水等を使用して創面の汚染除去を行った場合に算定できる。
 ただし、健保のデブリードマン加算と重複算定できない。

A四肢加算できない。

B初診時ブラッシング料を含む処置、手術の所定点数の合計が150点以上の場合に限り、時間外、深夜又は休日加算の算定ができる。 


同一傷病につき初診時1回限り    91点

18 特別監視料
頭部外傷等により意識消失し、極めて重篤な状態にある患者に対して、常時監視し、病状の変化に即応した適切な処置を講ずる必要がある場合 に算定できる。ただし、救命救急入院料、特定集中治療室管理料及び広範囲熱傷特定集中治療室管理料等との重複算定はできない。

1日につき
   200点 内訳書入院欄のその他に記入


19 文書料

労災保険指定医療機関等において、「療養( 補償) 給付たる療養の給
付請求書( 告示様式第5 号又は第16 号の3 )」を取り扱った場合( 再発
を除く。)に算定できる。
診療項目 診療内容の説明 労災診療費 備考
療養の給付請求書取扱料  「療養(補償)給付たる療養の給付請求書(様式第5号又は第16号の3)」を取り扱った場合(再発を除く。)に算定できる。
2,000円 内訳書右側(80)その他欄に記入、摘要欄に「取扱料」と記載する
休業等証明料 休業(補償)給付請求書の休業に関する診療担当者の証明
 〔様式第8号、様式第16号の6〕
正本1部につき
   2,000円
内訳書右側(80)その他の欄に記入、摘要欄に証明期間を記載する
看護の給付に関する医師又は歯科医師の証明
  〔看護費用の額の証明書〕
正本1部につき
   1,000円
診断書料 (1)傷病(補償)年金決定のための「傷病の状態
  等に関する届書」に添付する診断書

(2)傷病(補償)年金の定期報告に添付する診断書

(3)1年6ヶ月以上経過の休業(補償)給付決定
  のための「傷病の状態に関する報告書」に添付
  する診断書
 〔年金通知様式第2号〕 じん肺用
 〔年金通知様式第3号〕 せき髄損傷用
 〔年金通知様式第4号〕 じん肺・せき損以外用
正本1部につき
   4,000円
内訳書右側 @その他の 欄に記入、 摘要欄に 「年金様式 第4号診断書」のように記載する
(4)障害(補償)給付請求書〔様式第10号、様式第16号の7〕

(5)障害(補償)給付変更請求書〔様式第11号〕
(6)障害(補償)年金
   遺族(補償)年金}の受給
に伴って提出する「障害の状態に関する診断書」
   〔年金通知様式第7号〕
正本1部につき
   4,000円
○診療費請求書による請求はできない・
本人が費用請求として直接監督署に請求する
介護(補償)給付支給請求書に添付する診断
※障害(補償)年金受給者のみ「傷病(補償)
 年金受給者はレセプト請求」
(8)
@はり・きゅう、マッサージ等の施術に関する診断書
正本1部につき
   3,000円
○内訳書右側
@その他欄 に記入
A「施術効果の評価表」等を添付した場合 正本1部につき
   4,000円
上記診断書作成に当たってレントゲン撮影、検査等を実施する必要はない。
治療の過程で実施していれば診断書作成時点に最も近いものにより作成し、検査等を行わなくても診断できる程度の内容でよい。

20.職場復帰支援・療養指導料(新設)
 
精神疾患を主たる傷病とする場合  月一回 560点
その他の疾患の場合  月1回 420点

ア 傷病労働者(入院治療後通院療養を継続しながら就労が可能と医師が認める者又は入院治療を伴わず通院療養を3か月以上継続している者で就労が可能と医師が認める者 下記イからエにおいて同じ)に対し 当該労働者の主治医又はその指示を受けた看護職員  理学療法士 作業療法士若しくはソーシャルワーカーが、就労に当たっての療養上必要な指導事項及び就労上必要な指導事項を記載した「指導管理箋(別紙様式1〜4) を当該労働者に交付し 職場復帰のために必要な説明及び指導を行った場合に算定できるものとする。

イ傷病労働者の主治医が、当該労働者の同意を得て、所属事業場の産業医( 主治医が当該労働者の所属事業場の産業医を兼ねている場合を除く。) に対して文書をもって情報提供した場合についても算定できる。

ウ傷病労働者の主治医又はその指示を受けた看護職員、理学療法士、作業療法士若しくはソーシャルワーカーが、当該労働者の同意を得て、当該医療機関等に赴いた当該労働者の所属事業場の事業主と面談の上、職場復帰のために必要な説明及び指導を行い、診療録に当該指導内容の要点を記載した場合についても算定できる。

エ上記ア〜 ウの算定は、同一傷病労働者につき、それぞれ3 回を限度( 慢性的な疾病を主病とする者で現に就労しているものについては、医師が必要と認める期間) とする。




21 上記以外の診療費の算定

 
健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法(平成6年厚生省告示第54号)の別表
 の診療報酬点数による。                  〔健保点数に準拠〕


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