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■レセプトヘの傷病名記載は6種類に限定「205円ルール」見直しで支払基金検討会

 社会保険診療報酬支払基金は9日、「低薬価薬剤の審査等に関する検討会」(座長=河路明夫社会保険診療報酬支払基金常任顧問)の初会合を開き、4月の診療報酬改定で「205円ルール」が見直されたことに伴う対応を協議した。この日は改定以降、医療現場から照会の多かった事項のうち、薬剤料に係る所定単位あたりの薬価が175円以下であっても、レセプトに傷病名の記載が必要となる薬剤の範囲について議論し、(1)強心剤(2)糖尿病薬(3)血管拡張剤(4)血圧降下剤(5)副腎ホルモン剤(6)高脂血症用剤−の6種類に限定する方針を固めた。あわせてレセプトに傷病名を記載する必要のない薬剤についても明らかにした。支払基金は近く厚労省に検討結果を報告することにしており、同省も検討内容を踏まえて関係機関に通知する方針。
 205円以下の医薬品については、これまで診療報酬請求事務の簡素化を目的に、レセプトヘの薬剤名の記載を省略することを認めてきたが、4月の診療報酬改定では請求の透明化を図る観点から、「205円ルール」が見直され、手書きレセプトを除き、薬剤名の記載が義務付けられた。あわせて主傷病、副傷病を明確にするとともに、これら傷病から類推できる傷病名についてはレセプトヘの記載を不要とする保険局医療課長通知(3月25日付)を送付した。ただ、通知では、レセプトに傷病名の記載が必要な薬剤の範囲を「強心剤、糖尿病薬など」としたことから、対象範囲の瞬味さが現場から指摘されていた。この日の検討会では、傷病名の記載が求められる薬剤について議論し、「効能効果が多様で、しかも長期に使用する可能性の高い薬剤は傷病名の記載が必要」と判断した。具体的には強心剤や糖尿病薬に加えて、血管拡張剤や血圧降下剤、副腎ホルモン剤、高脂血症用剤などが該当する。一方、傷病名の記載を不要とするのは、「一過性の症状に対する薬剤など」とし、比較的軽微な疾病に用いる薬剤をあげた。具体的には健胃消化剤、鎮咳剤、消化器官用剤、下剤・浣腸剤、眠剤、解熱鎮痛消炎剤、去たん剤及び鎮咳去たん剤、感冒薬などを列挙している。ただ検討会では、「類推できる傷病名の範囲は広範で、さらには臨床現場の医師による判断に幅が生ずることも想定されることから、個々の薬剤について限定的に列挙することは実務的ではない」とも付け加えている。そのほか主傷病名・副傷病名の区分のないレセプトの取り扱いについても、周知徹底されていないことから、「ただちに返戻することは当分の間、差し控える」との見解を示した。検討会は今後も現場の意見を収集し、引き続き検討する。  
    
5月10日(金)メディファクス 3952号−2


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