車に乗っていて追突されたときに頭が鞭がしなるような格好で動き、頸椎、神経などに損傷を与える怪我です。
俗称:むちうち損傷と言います。多彩な症状も出るので総合的に外傷性頚部症候群とも言います。


症状ですが、わかり易いように症状を分類してみます

1、捻挫型

a.筋肉型、
b.椎間関節型

2、神経根損傷型 

3、自律神経障害型 

4、脊髄損傷型

 の大きく四つに分けます。


1、捻挫型

筋肉型
主に胸鎖乳突筋(いわゆる首を傾けたときに目立つ縦に走る筋肉)などが損傷される。単独で損傷されることは少ないが長引かず3週以内で完治することが多い

椎間関節型
頸椎の骨と骨を繋ぐ椎間間節の捻挫。重度の場合は椎間板も損傷され、まれではあるが椎間板ヘルニアになることもある。受傷後3日から4日で首のいたみ、首が動かないなどの症状が増強され、軽度の場合は3週間以内で軽快するが3ヶ月から4ヶ月症状が続くことが多い。

2、神経根損傷型

肩、背中、腕、肘、後頭部などの痛みが受傷直後または2週から3週で増強する。軽い場合はしびれ程度でおさまることもある。運動神経も損傷され、上肢の筋力低下、握力低下なども見られる。
軽快するのに長引くと6ヶ月、1年以上もかかることもある。椎間板なども損傷されていることもありMRIなどの検査も必要になる。


3、自律神経障害型

肩こり、頭痛(目の奥が痛い)、吐き気、めまい、耳鳴り、いらつき、不眠など不定愁訴的症状が出る。Barre-Lieou症状とも言う。受傷直後には症状は発現せず、早くて一週間くらいで出現、他の型と複合して2ヶ月くらい経過してから出現することがある。軽快するまでは個人差があり、6ヶ月から一年以上もかかる事がある。

4、脊髄損傷型

両手の痺れ、筋力低下、重度ではまれに両下肢の麻痺が出現する。軽度の場合は一ヶ月程度で軽快する場合もあるが他の型と合併することが多い。


各型はむしろそれぞれが単独で現れることが少なく混合されて出ることの方が多い。


<治療>

重症度によって治療法は変わってきますが、初期は頸椎カラーなどを使用して頸椎を安静にしたほうが治りが早くなります。
湿布などの外用薬、消炎鎮痛剤も効果があります。
医師の指示のもとで低周波、温熱療法、牽引療法などの理学療法も開始します。主な症状が軽快する傾向が出たら動かさなかった筋肉を積極的に動かしてやることも重要です。その際首よりも肩関節の運動から始めたほうが安全です。
何れにしろ治りかけてくると、損害保険会社などのことが気になり、自律神経症状が増強することがあるようです。あまり気にせず治療に専念したほうが経過も良いようです。


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