Q62:
88歳になる祖母ですが、数年前から足のしびれを感じ、だんだんひどくなるようです。いつもごつごつとした岩の上を歩いているようだと申しています。歩く時のみならず、横になっていても痺れがひどく、最近は腰も痛いようで、私も見ていてとても辛いです。少しでも病状を緩和する方法はありますでしょうか?

A61:
腰痛もあり、腰椎の脊柱管の部分で神経や血管の通り道が年齢的に狭くなり、神経の束(馬尾)を圧迫して、腰から足の裏までの痛みや痺れを来たす腰部脊柱管狭窄症が一番考えられます。変形性脊椎症の一種の形です。圧迫は立って腰がのびた状態で強くなります。そのため、ある程度歩くと腰から足の裏にかけてが痛んだり、しびれたりして歩けなくなり、しばらく休むとまた歩けるようになるという症状(間欠的跛行)をおこします。理学療法や薬物治療など保存的治療を中心に治療しますが症状の強い場合は手術療法も選択されます。なかなか治りずらい疾患ですが、一度、近所の整形外科の先生に診てもらってください。


Q61:
整形外科で胸郭出口症候群と診断されましたが、なんの治療もなく、何をしたら良くなるのかがわかりません。教えてください。

A61:
頚椎から出た神経と血管は鎖骨と第1肋骨の間(胸郭出口)を通って肘から手に行きます。頚椎症や頚椎の椎間板ヘルニアが原因の神経症状もなく、胸郭出口での神経血管を圧迫が原因でしびれや上肢の脱力感などの一連の症状が発生する疾患を「胸郭出口症候群」と呼びます。なで肩や首が長い方や、首を一定 の角度で長時間固定する作業の場合(デスクワークなど)は発生しやすくなります。根本的な治療はあまりなく、手術療法「第1肋骨切除術」もありますが、一般的には保存療法が主体となります。
保存療法は主に日常生活上の注意と上半身の筋力アップが治療となります。デスクワークの場合は、机になるべく近く座って、あごを軽く引いて、軽く背筋を伸ばし、肘がほぼ直角になるように椅子の高さを調節し、机に肘を ついて、作業するようにしてください。肘をつくことにより、筋肉の緊張がとれ、鎖骨も上がるようになり多少胸郭出口が広がります。2時間以上連続で、同じ体勢で作業しないようにし、必ず休憩を入れ、肩の運動などをするようにします。普段でも姿勢を正しくして歩き、肩を動かすスポーツなどを積極的にしてください。確かになかなか治りずらい疾患ですが、日々の自分の努力で改善すると思います。詳細は主治医の先生にお聞きになってください。


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